仏壇にお供えする花に決まりはある?種類はなにがいい?正しい飾り方と処分方法を知ろう
お盆をはじめ、毎日の仏壇にお供えする花を「仏花」といいます。
飾る花に決まりはあるのでしょうか?
おすすめの花と種類、飾ってはいけない花は?
花の飾り方や、長持ちさせるお手入れ方法についてもまとめました。
仏壇にお供えする花に決まりはある?
仏壇にお供えする花のことを「仏花」といいます。
読み方は「仏花」で「ぶっか」です。
お花屋さんやスーパーに行くと、菊などをメインに作られた花束を見かけると思います。
お盆などでお墓参りに行く時に持って行ったりもしますね。
仏教では花の重要度は高く、自然の中で耐えて花を咲かせる様から、自分も花の様に耐えて忍びますという誓いをこめて供えるものとされます。
仏花に適した色は?
一般的には、四十九日を過ぎるまでは白い花を飾るのがよいようです。
亡くなって間もないわけですから、カラフルな花を飾るのが不向きなのは分かりますよね。
四十九日を過ぎてからの、仏壇に飾る花の色の選び方はこちらです。
・3色の場合は「白」「黄」「紫」がよい
・3色以上なら「白」「黄」「紫」「ピンク」「赤」などを基調とした明るい色のもの
・悲しみの時には「赤」は避ける
日常に飾る場合はそれほど気にする必要はないですが、お盆など特別な日の場合はふさわしくない色は飾らない方が無難ですね。
仏花の種類
仏花として一般的なものは、「菊(キク)」です。
輪菊や小菊など種類があります。
他にも季節などによっていろいろな花を仏花として飾ります。
主なものは以下の通り。
お盆の仏花
お盆に仏壇に飾る花といえばミソハギ、ホオズキ、カーネーション、ヒャクニチソウ、ストック、キンギョソウなどがおすすめです。
ホオズキはその実が灯篭に似ていることから、ご先祖様を導くものとしてよく飾られます。
春の仏花
仏壇に飾る春の花といえばアイリス、キンセンカ、スターチスなどがあります。
アイリスはアヤメ科の植物で、花びらが多く丸い形がかわいらしい花です。
夏の仏花
夏の仏花といえば菊の他にリンドウ、グラジオラス、ケイトウなどがあります。リンドウは涼しげで上品な花です。
どの花も、一度は見かけたことがあるのではないかと思います。お花屋さんなどで手軽に手に入ります。
花以外には?
花は傷みやすいので、あまりマメに交換できない時などにおすすめなのは枝葉のものですね。
古くから仏様にお供えする枝葉として有名なのは樒(しきみ)です。
樒を挿した水は腐りにくいといわれます。
ただ、葉や茎・花などほぼすべての部位に毒があるようなので、飾る時は気をつけてください。
また、槙も夏場は日持ちがよく見た目も涼しげで上品です。
華道でも使われる花ですので、お花屋さんに行けば手に入るでしょう。
また、よく見かける榊は「神棚」に備えるものですので、仏壇には使いません。
飾ってはいけないものは?
一般的に仏花に不向きとされるのは、「棘があるもの・香りが強いもの・ツル状のもの」とされます。
バラやアザミは棘があるので適しません。
また、お彼岸の時期に咲くヒガンバナなども縁起が悪いとされますし、毒があるので、そういったものも不向きとされます。
自立できないツル植物も不向きのようです。
ただし、全てあくまで一般論であり根拠はないという見方もあります。
「洋花はふさわしくない」などとも言われますが、あの世(浄土)には色とりどりの花が咲き乱れているとされますので、お供えする花も基本的にはどんな花でもよいという説もあります。
花を選ぶ時気をつけることは?
仏様に対して問題がなくても、仏壇の場合は室内にあるものですので、飾る時や飾った後のことを考えて、気にした方がいいこともあります。
香りが強いとずっと香っているのは辛い場合もありますし、食事の時にも気になったりするでしょう。
また、毒や棘があるものは子供が触ったりすると心配ですし、ユリなど花粉が多いものや花が散りやすいものは、飾っているうちに下に花粉や花びらが落ちて掃除が大変です。
仏壇の部屋というのが別にあるようでしたら、香りなどはあまり気にせず、故人の好きだった花を飾るのもよいでしょう。
仏壇が一続きの部屋にある場合は、やはり香りがきついものや毒があるものは避けた方がよいでしょうね。
家の花は供えていい?
家の仏壇に毎日供えることを考えるなら、わざわざ買ってくる必要はなく、庭に咲く花をお供えしても構いません。
ご先祖様を思う気持ちが重要ですので、買った花だとかそうでないということにこだわる必要はないでしょう。
我が家もお盆や墓参りの時は菊などの仏花を買いますが、それ以外は家の庭に咲く花を供えたりしています。
家族が心をこめて育てた花を供えてもらうのは、ご先祖様にとっては嬉しいことなのではないでしょうか。
ただ、自分の家で飾るだけならある程度自由に花を選んでも構いませんが、お供えに持っていく場合は菊などの一般的なものをおすすめします。
飾り方は?
まず、花の本数は3・5・7本の奇数がよいとされます。
2カ所飾りますので、2セット用意してください。
「3・3」「7・7」という風に、本数は同じにしましょう。
花立などに入れる時は上から見て菱形になるように、体裁よく供えるのがよいでしょう。
菱形にするというのは神事の榊からきているようですが、べたっと平面的に飾るより、ふんわり丸い感じで飾った方がきれいに見えるということもありますね。
子供の頃、束ねたままの花をそのままずぼっと入れたら、親に直されたのを思い出します。
ちなみに、買って来た花は茎を輪ゴムで止めてあることが多いですが、ゴムが付いたまま供えて構いません。
ゴムで束ねたままの方が、片づける時に散らからなくておすすめです。
束ねてあると向きなど整えにくいですが、ある程度は動きますので大丈夫です。
飾る時の正面は、自分の側になります。
お墓参りでもそうですが、正面はお墓側ではなくお参りする側になります。
自分から見て綺麗に見えるように、お供えすればよいということです。
長持ちさせるには?
花を長持ちさせる一番大事な事は「毎日水替えをする」ということです。
また、挿す時に、水につかる部分の葉は全部取って茎だけにしましょう。
葉があると腐ってきて痛みの元になり、臭いも出ます。
水替えの時に茎の部分のぬめりを洗い落して、夏場なら水に氷を入れると長持ちするようです。
菊など仏花は長持ちするものが多いですが、たいてい一週間から10日で痛んできます。
高価な花である必要はありませんので、なるべく生き生きとした花をお供えしていたいですね。
仏花の処分の仕方
お供えしたものなので、処分の仕方に悩むこともありますよね。
基本的には、お供えした花は土に還すのがよいとされます。
お墓に行くと、水道や桶などがある所の隅の方などに穴があって、供えた後の花がたくさん積まれていたりするのを見かけます。
しかし、なかなか土に還せる場所がないのが現実ですよね。
一般的には普通に燃えるゴミとして出して構いません。
そのまま捨てるのは気がひけるという場合は、半紙など白い紙
に包んで捨てるのがよいでしょう。
まとめ
基本的には、仏壇にお供えする花に決まりはありません。
ただ、仏花として一般的に知られている花というものはありますので、お盆やお彼岸などの節目の時や、相手に贈る場合はそういったものを選びましょう。
毎日花をお供えするというのは大変ですので、お盆の時期や花がある時だけ供えるというお宅も多いです。
季節の花を飾って、ご先祖様と一緒に楽しむという気持ちでお供えできたらよいのではないかと思います。