マダニに噛まれたら(刺されたら)どうしたらいいでしょう?
また、マダニ感染症のウイルスの潜伏期間と症状、病院は何科を受診したらよいのかなどをまとめました。
マダニに噛まれたら?
マダニはマダニ科の虫で、動物に取りついて血を吸う吸血昆虫です。
大きさは大人のマダニで3~8mmあり、目で見ることができます。
蚊などの吸血昆虫と違い、ギザギザの歯で「噛んで血を吸う」ことが特徴です。
マダニは「噛む」時に相手の体内へ麻酔に似た物質を送り込みます。
そのため、噛まれた時は気づかないことも多くあります。
また、口の部分でがっちりと噛みつき、セメントのような固定する成分を出して取りつきます。
そのため、長い間相手の体にくっついて血を吸うことができます。
大人のマダニで、長くて6~10日にもなり、血を吸って膨らむと10~20mmの大きさになることもあります。
痛みはある?
マダニは噛む時に麻酔の様な物質を送り込むため、噛まれたことに気づかない場合が多いです。
噛まれると赤く腫れたり、数日して熱い感じや、軽い痛みを感じる場合もあります。
マダニは満腹になると自分から離れていきますので、体をあまり気にしない方なら、知らない間に噛まれて終わっていたということもあるかもしれません。
マダニが満腹になるまでの期間は、だいたい7日間ほどです。
噛まれたことに気づいたら?
もし、体にマダニらしきものが付いているのを見つけたら、潰したり無理に引っ張って取ってはいけません。
マダニの体内物質が逆流したり、マダニの体の一部が残ってしまい、化膿や感染症のリスクが増す要因になります。
マダニに噛まれたら、皮膚科や外科を受診して取り除いてもらうのが最適です。
噛まれたか分からない場合は?
マダニの本体が付いていれば分かりますが、なにか分からないけれど刺されたような跡がある、という場合もあるかと思います。
山や草むら、畑などのマダニがいそうな場所へ行って、原因不明の虫刺され跡のようなものを見つけたら、マダニかもしれないと不安になりますよね。
マダニに噛まれるのがどうして危険なのかという理由を知って、適切な対処をしてください。
マダニが危険な理由は?
マダニに噛まれるのがなぜよくないかというと、先にも書いたように感染症になる恐れがあるためです。
マダニから感染する病気は主に、「日本紅斑熱」、「ライム病」、「ダニ媒介性脳炎」、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」があります。
最近特に話題になっているのは、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)です。
実際、死亡例もあるほどの病気です。
(出典:国立感染症研究所)
ただし、マダニに噛まれたからと言って、誰でも必ず感染症になるわけではありません。
今現在症状が出ていないならば、感染しているかという検査をすることもできませんので、まずは様子を見ましょう。
SFTSのウイルスの潜伏期間は約6日~2週間です。
その間に発熱、だるさ、食欲低下、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が出ないか注意しましょう。
また、3週間程度は体調の変化に気をつけて過ごすのがよいでしょう。
発熱、倦怠感、発疹、関節痛、腹痛、下痢などの症状が出た場合は、念のため病院を受診してマダニに噛まれた(または、噛まれたかもしれない)と伝えましょう。
(出典:国立感染症研究所)
マダニは春から秋にかけて活発で、主に5月~8月に多くなっています。
日本全国に生息していますが、SFTSは特に西日本を中心として報告されています。
まとめ
マダニに噛まれたら、取りついている場合は無理に取らずに、皮膚科などを受診しましょう。
感染症になる危険がありますので、6日~2週間は体調の変化に注意しましょう。
参考:
・国立感染症研究所
・東京都健康安全研究センター
・厚生労働省「ダニ媒介感染症」
・wikipedia