夏の七草の種類って?誰が決めたの?由来と意味は?
春の七草は有名ですが、「夏の七草」というものもあるようです。
どんな種類なのか、どうして決まったのかなどまとめました。
夏の七草の種類
一般的に言われている夏の七草はこちら。
1.アカザ【藜】
2.イノコズチ【猪子槌】
3.ヒユ【莧】
4.スベリヒユ【滑莧】
5.シロツメクサ【白詰草】
6.ヒメジョオン【姫女菀】
7.ツユクサ【露草】
では、どうしてこの七つなのか、どうやって決まったのかなどを紹介します。
いつ誰が決めたのか?
決められた時期は1945年6月20日第2次世界大戦中。
「日本学術振興会学術部・野生植物活用研究小委員会」が選定したとされます。
昭和二十年六月二十日発行の『週報』(四四七・八号)に「新選・夏の七草」というタイトルで、はじめて夏の七草が発表されたようです。
由来と意味は?
1945年6月20日といえば、戦争が終わりに近づいたころ・・・。
食べ物がなく、みな飢えていた頃です。
とにかくなにか食べるものを・・・と、食糧の確保に苦労していた頃発表されたのが夏の七草です。
「空襲跡の荒れ野原でもたくましく生える、食べられる植物」
それが「夏の七草」というわけです。
食べておいしいとか、体にいいとかそういった由来ではなく、空腹しのぎにすぐ食べられる草の紹介といった意味合いでしょうか。
確かにどれも近所の野原などに見かける植物です。
シロツメクサやヒメジョオンも食べられるのですね。
極度の食糧難がうかがえます。
もう一つの夏の七草
夏の七草にはもう一種類あり、風流な「夏の七草」がこちら。
葦(よし)
藺(い)
沢瀉(おもだか)
未草(ひつじぐさ)
蓮(はちす)
河骨(こうほね)
鷺草(さぎそう)
昭和のはじめ頃に、勧修寺 経雄(かしゅうじ つねお)という議員の人が詠んだ短歌からきているようです。
その短歌とはこちら。
涼しさは よし い おもだか ひつじぐさ かわほね さぎそうの花
(涼しさは蘆、藺草、沢潟、未草、河骨、鷺草の花)
夏に、涼しさを感じる植物を詠んだ歌のようです。
まとめ
「夏の七草」といわれるものは2種類あるのですね。
一般的に言われるのは先の大戦時の七草のようです。
春や秋の七草と比べて、夏の七草は物悲しい由来でした。
「夏の七草を食べよう」と盛り上がっていない理由が分かった気がします。
集めて作ってみて(食べるかどうかはさておき)戦争中はこういうものを食べるしかなかったのかな・・・と、感じるのもいいことではないでしょうか。
夏休みに子供と一緒に作ってみるのもいいかもしれません。
参考:・レファレンス協同データベース
・額田医学生物学研究所HP