おせちを英語で説明するには?料理の意味を伝える言い方と簡単な例文をご紹介
おせち料理はお正月に見られる日本特有の文化ですので、外国の方に説明したい時はちょっと困りますよね。
外国の方にとって、おせち料理はなじみがないものです。
そのため、お正月につくられる料理という点以外に、どのような文化的背景があるのか、具体的にどのような料理をつくるのか、それぞれの品目の持つ意味などを説明してあげる必要があるでしょう。
しかしながら、それらを正確に説明できる人は、日本人でも多くはありません。
そのため、そういった文化的背景や各品目の持つ意味を確認しながら、英語でおせち料理を説明する表現方法を一緒に学んでいきましょう。
おせちを英語で説明するには?
おせち料理を英語で説明するために、そもそもおせち料理とはどのようであるものかを確認し、その後にその特徴を英語でどのように表現すればいいのかを見てみましょう。
そもそもおせち料理とは?
まずは、「おせち」の語源について確認しておきましょう。
おせちは、漢字を使うと「お節」と書きます。
元々日本には「五節句」という、季節の変わり目に五穀豊穣や無病息災などをお祈りする行事がありました。
たとえば、雛祭りや七夕などがこれに当たります。
「お節」は、この節句に神様へのお供え物として出す料理のことを元々は指していました。
それが、現在となっては年初の「人日の節句」にのみ、おせち料理を用意する文化が残るようになりました。
おせち料理の特徴として、お重箱にたくさんの品目が詰められることが挙げられます。
重箱を使用するのは、年間を通してめでたいことが重なるようにという意味が込められているからです。
また、後ほど詳しく説明しますが、一般的にお節に使用される品目は、様々な縁起を担いでいます。
さらに、おせち料理の品目は、お正月の三が日を通して日持ちするものが選ばれます。
これは、「お正月の期間は料理をせずにかまどの神様を休ませてあげよう」という神様への気遣いが元となっています。
それが現在では、「お正月くらいはお嫁さんが料理の手間から解放されるように」という意味合いも持つようになったと言われています。
ここまでを振り返って、おせち料理のポイントをまとめてみましょう。
- お正月に食べる料理である
- いいことが重なるようにお重箱に詰める
- 縁起のいい食べ物を入れる
- 神様と奥さんが休めるように作り置きする
以上のような点を盛り込んで説明するとよいでしょう。
おせち料理を英語で説明するための例文と表現集
では、おせち料理のポイントを確認したところで、次はおせち料理の説明を例文で確認してみましょう。
Osechi, or Osechi-ryouri, are a set of dishes traditional in Japan, which are made as offerings to their God. They were originally a set of dishes made for seasonal events, but nowadays they mean dishes made on New Year’s in particular. A variety of dishes of good omen are packed in a pile of boxes called “Jyuubako”. They are made to keep long so that their God and wife can have a good rest.
一文ずつ日本語に訳していきます。
Osechi, or Osechi-ryouri, are a set of dishes traditional in Japan, which are made as offerings to their God.
おせち、もしくはおせち料理は、日本の伝統的な料理で、神様へのお供え物としてつくられるものです。
They were originally a set of dishes made for seasonal events, but nowadays they mean dishes made on New Year’s in particular.
元々は一年の節目につくられる料理でしたが、現在では特にお正月につくられるものを指します。
A variety of dishes of good omen are packed in a pile of boxes called “Jyuubako”.
重箱と呼ばれる層状の箱に、様々な縁起の良い料理を詰めます。
They are made to keep long so that their God and wife can have a good rest.
日持ちの良い料理をつくることで、神様や奥さんがゆっくり休めるようにという配慮が込められています。
offering:お供え物
a series of dishes:一組の料理
→ 一つの料理というより、複数の料理をセットでおせちと呼ぶため、a set of「一連の」を前につけています。
their God:神様
→本来神様は唯一の存在ですが、海外の神様と日本の神様は異なるので、their Godとしています。
seasonal events:節目
of good omen:縁起の良い
a pile of:積み重なった、層状の
おせちのそれぞれの品目の意味は?
おせち料理には、縁起の良い料理が用いられます。
それぞれの料理がどのような意味を込めてお供えされるのかを確認していきましょう。
黒豆
まめには、「健康」や「勤勉」といった意味があります。
そのため、おせち料理には煮込んだ黒豆が好んで用いられます。
これを英語で説明してみましょう。
A bean is called “mame” in Japanese. In Japan, the word “mame” has a meanings of “health”, or “diligence”. For the above reason, simmered black soy beans are chosen as one of Osechi dishes.
Bean is called “mame” in Japanese.
Beanは日本語で「まめ」と呼ばれます。
In Japan, the word “mame” has a meanings of “health”, or “diligence”.
「まめ」という言葉には、「健康」や「勤勉」といった意味があります。
For the above reason, simmered black soy beans are chosen as one of Osechi dishes.
そのような理由から、黒豆(の煮込み)はおせち料理の一品目に選ばれます。
diligence:勤勉
simmer:とろとろ煮る
black (soy) bean:黒豆
数の子
数の子は、おせち料理の定番品目です。
数の子が縁起がいいとされるのは、2つの側面があります。
1つ目は、数の子はにしん(魚)の卵であり、にしんは「二親」、すなわち両親を表します。二親のたくさんの卵を食べることで、子宝に恵まれるようにという願いが込められています。
2つ目は、数の子という言葉自体が「数」と「子」という言葉を含んでおり、やはりたくさんの子どもに恵まれるようにという思いが込められています。
それぞれを英語で表現してみましょう。お好みに応じて組み合わせたり、使い分けたりしてください。
① In Japan, the word “Nishin”, which means herring, has a meaning of “parents”, so herring roe means children of a pair of parents. With this reason in mind, hearing roe is a symbol of a wish for a pair of parents to be gifted with a great number of children.
In Japan, the word “Nishin”, which means herring, has a meaning of “parents”,
日本では、「にしん」という言葉は、herringに相当するものですが、「両親」という意味をあわせ持っています。
so herring roe means children of a pair of parents.
したがって、数の子には一組の夫婦にたくさんの子どもという意味があります。
With this reason in mind, hearing roe is a symbol of a wish for a pair of parents to be gifted with a great number of children.
このような理由から、数の子は夫婦が子宝に恵まれるようにという願いを象徴しているのです。
herring:にしん
roe:魚卵
herring roe:数の子
② “Kazunoko” means herring roe in Japanese. “Kazu” has a meaning of “number”, and “ko” has a meaning of child or children. Considering the fact, Japanese people make salted herring roe with a wish of a pair of parents blessed with children.
“Kazunoko” means herring roe in Japanese.
数の子は、日本語でherring roeを意味する言葉です。
“Kazu” has a meaning of “number”, and “ko” has a meaning of child or children.
「Kazu」には「数」という意味があり、「ko」には子どもという意味があります。
Considering the fact, Japanese people make salted herring roe with a wish of a pair of parents blessed with children as one of Osechi dishes.
このような背景から、日本の人々は両親が子宝に恵まれるようにという願いを込めて、おせち料理として数の子を塩で調理します。
herring:にしん
roe:魚卵
herring roe:数の子
salted:塩で味つけされた
blessed:神様の加護を受ける、恵まれる
その他の食材
そのほかの食材について、英語で簡単に説明します。
栗きんとん Kurikinton (mashed potato with sweetened chestnut)
Gold, the color of Kurikinton, represents golden treasure, so it is a dish of good omen with a wish of being well off.
In addition, a dried chestnut is called “Kachiguri” in Japanese, and ”Kachi” means a victory. For this reason, it is said to be of good luck, so it contains a wish for victory.
【訳】金色はその色の通り黄金色の財宝をあらわし、豊かな一年を願う縁起物です。
また、栗は「勝ち栗」といって縁起のいいものとされ「勝負運」を招く願いが込められています。
伊達巻 Datemaki (fish-pasted rolled omelet)
“Date” means floridness. And its shape is associated with a handscroll, so it contains a wish for academic achievement.
【訳】「伊達」は華やか・派手さを表す言葉で、意味としては、巻物の形から学問成就などを願うとされます。
昆布巻 Kobumaki (simmered food wrapped in rolled kelp)
Kobu and yorokobu(be pleased) are played on words. For this reason, it is a dish of good omen with a wish of a family’s prosperity.
【訳】昆布は「よろこぶ」や「子生(こぶ)」の語呂合わせから、一家の幸せと繁栄・不老長寿を願う縁起物です。
紅白かまぼこ Kouhaku kamaboko (Red and white colored fish paste)
A lucky charm which is red and white colored. It is often chosen because its semicircular shape looks like sunrise.
The color red means “amulet”, and white means holiness.
【訳】紅白の縁起物で、半円形の形が「日の出」に似ているため使われる
赤は「魔除け」、白は「神聖」という意味がある。
紅白なます Kouhaku namasu (Red and white colored vinegared salad)
Red and white are auspicious combination of colors. It is a dish with a wish of a peace.
【訳】紅白の縁起のいい色で、「平和」を願う。
レンコン A cooked lotus root
A lotus root is food with holes, so it is a dish of good omen which implies a good future prospect.
【訳】穴が開いているので「将来の見通しがいい」と縁起を担ぐ食べ物。
海老 A cooked prawn
Its curved shape implies a long and healthy life until getting bent with the waist.
【訳】曲がった形から、腰が曲がるまで元気でという「長生きを願う」食べ物。
簡単な例文
最後に、おせち料理をより簡単に説明する英語表現を例文で紹介します。
簡単に説明して、相手の反応を見ながら説明を加えたい場合などにご利用ください。
料理という側面を強調する場合
Osechi-ryouri are dishes particular for new year holidays. Japanese people prepare dishes made of various auspicious ingredients. They are usually in a set of layered boxes.
Osechi-ryouri are dishes particular for New Year holidays.
おせち料理は、特にお正月に見られる料理です。
Japanese people prepare the dishes made of various auspicious ingredients.
日本の人々は様々な縁起の良い材料を使っておせち料理をつくります。
They are usually in a set of layered boxes.
積み重なる一組の箱に入れられます。
文化的側面に力点を置く場合
Osechi are New Year dishes in a pile of boxes. They were originally a set of dishes as offerings to God for seasonal events. They are so made as to keep long hoping that God of kitchen range can rest.
Osechi are New Year dishes in a pile of boxes.
おせちは、重箱に入った新年の料理です。
They are originally a set of dishes as offerings to God for seasonal events.
元々は節目に神様にお供え物としてつくられる料理です。
They are so made as to keep long hoping that God of kitchen range can rest.
かまどの神様がゆっくり休めることを願って、おせち料理には日持ちのするものをつくります。
まとめ
おせち料理を英語で説明するための表現例は以上です。
なるべく語彙のレベルを上げすぎないようにして、理解しやすい例文を心がけましたが、いかがでしたでしょうか。
今回は英語での標準的な説明や、おせち料理の各料理が持つ意味、簡単に説明したい場合などに分けて解説してます。
必要な場面に応じて、各例文を使い分けてご利用ください。
より充実した国際交流ができるよう、少しでも役立てていただければ幸いです。