子供が、身体的には元気なのにご飯を食べなくなったら?
思春期で体型を気にしてダイエットなら、まだいいでしょう。
病院でみてもらい、特に問題がないなら、ヒステリー球を疑ってみましょう。
ヒステリー球経験者の立場から、アドバイスなどもまとめています。
参考にしてみてください。
ヒステリー球とは
喉が締まるような違和感があることを「ヒステリー球」などと言います。
咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)と呼ばれ、喉が詰まる感じや、異物感、不快感などがあるが、身体的な検査をしても異常がみられないものをいう。
耳鼻科領域では、咽喉頭異常感症と呼ばれるが、内科領域で「ヒステリー球」(英:Globus hystericus、あるいはヒステリー球症候群(英:Globus syndrome))と呼称される疾患と概念的に同じものである。他に「咽喉頭食道異常感症」、「咽喉頭神経症」と呼称される場合がある。
参考:wikipedia
いろいろな呼び方がありますが、簡単にいうと「ストレスが喉に詰まっている・・・」という感じでしょうか。
ストレスを感じて自律神経のバランスが崩れると、喉の筋肉が緊張してきゅ~っとなることが原因といわれています。
症状は?
症状は以下の様なものがあります。
・喉が詰まる感じ・違和感
・喉になにかある感じ
・飲み込みにくい
喉の違和感から、吐き気などが起こる場合もあります。
個人差はあると思いますが、じわじわずっと感じている時もあれば、さっきまでは何もなかったのに、緊張する場面や不安を感じるとすぐ症状が現れる場合とあります。
原因は?
ヒステリー球になる原因としては
・不安・緊張
・ストレス
が主なものです。
小学校高学年から中学生は、特に精神的に不安定でもあります。
心配事があっても親に言えず、1人で我慢してしまう場合もあります。
また、自分が不安を感じている事すら感じない子もいます。
なにかあっても、それを親に相談するという考えまでにならない場合もありますので、親が気づいてあげることが必要でしょう。
なりやすい人は?
誰でもなる可能性はありますが、なりやすいのは10代~20代の女性といわれています。
また、性格的には
・真面目
・心配性
・不安が強い
・我慢強い
などが挙げられます。
おとなしくて真面目な女の子などは、なりやすといえるようです。
親に心配をかけたくないと思っていたり、弱い所を見せられないといったことから我慢している場合もあります。
子供の場合の具体例
ヒステリー球の特徴はわかりましたので、具体的に子供がなったとしたら・なるとしたらどうなのでしょう。
原因は様々です
真面目だったり感受性が強い子にとっては、学校はハードな場所です。
例えば、最近はないかもしれませんが先生が「給食は残さず食べる」という決まりを作ったとします。
すると、「残したらどうしよう、食べられなかったらどうしよう。」と思うわけです。
そして、心配しすぎて不安が強くなり給食の時間になると喉が詰まる感じがして吐き気がし、食べられなくなってしまう・・・といった感じです。
また、閉所が苦手な子も多いです。
高校になって電車通学になり、「電車で気持ちが悪くなったらどうしよう。」と思い、朝ご飯が食べられない。
学校に行っても、「帰りの電車があるから」と心配で、お昼も少ししか食べない。
晩ご飯も「明日電車でお腹がおかしくなったら困るから」と、少ししか食べない。
といった具合です。
こんな不安を抱えていても、恐らく親の前では平気な顔をしているでしょう。
「ご飯それだけでいいの?」と聞いても、「大丈夫。ダイエットしてるし。」と言って、にっこり笑うかもしれません。
本当にダイエットならいいでしょうが、ちょっとおかしいな・・・と思ったらよく話してみることも必要です。
どんな場面で出る?
とにかく、体は正直で、不安が強い子にとってはちょっとしたことで症状が出ます。
・入学式・卒業式などの出入りが自由に出来ない式典や朝礼など
・電車やバスでの通学
・バスに乗っての修学旅行や遠足など
・大勢の前で発表
・試験
・授業
・みんなでの給食
・初めて行く場所・すること
その子によってストレスを感じるポイントは違うと思いますので、他にもいろいろな状況が考えられますが、こういった場面で自分で自分にプレッシャーをかけてしまうことで症状が出ることが多いでしょう。
「きちんとやらなくては」「出来なかったらどうしよう」「こうなったらどうしよう」など必要以上に心配し、ストレスを感じてしまいます。
それによって、喉がきゅ~っと詰まってきたりするのが「ヒステリー球」の特徴です。
また、喉が詰まるのですから、吐き気も出たりして増々不安になります。
症状は、不安を感じた瞬間に始まるといってもよいでしょう。
長期的な心配事だったり、不安が強く、疲れている場合は、一日中出たり収まったりという場合もあります。
何でもない時は元気だったりするので、周りに理解されず、本人も「なんだろう・・・?」と思いつつ我慢しながら過ごしているという場合も多いでしょう。
基本的には、胃腸が悪いわけではないので「うっ」となるくらいで、吐くことはない場合が多いです。
対処の仕方
ストレスをなくすのが一番ですが、性格はそう簡単には変わらないでしょう。
気合でなんとかなるものではないので、続く場合は内科か心療内科にかかるのがよいでしょう。
最近はそういった子が増えているようで、中学生でも使える弱い薬もあり、飲んでいる子も多いようです。
薬なんて・・・と思うかもしれませんが、症状が出そうな時だけ頓服のように飲めるものもありますので、辛い思いをしているよりいいのではないかと思います。
ただ、薬に頼りすぎるのもよくありませんので、医師に言われるがままに薬を増やしていくのはあまりおすすめしません。
あくまでも、頓服として様子を見るほうが、後々のことを考えると良い方法かと思います。
また、とりあえず出来る対策としては、個人的にやっていたのは「アメをなめること」です。
気休めですが、喉が潤いますし、多少喉の締まりなどの感じ方を弱くしてくれます。
高校を卒業したり、成人して精神的に自立してきたりして、親や周囲からのプレッシャーを感じなくなると症状が出なくなる場合もあります。
あまり心配せずに、気長に付き合うとよいかと思います。
まとめ
ヒステリー球の治療の前に、病的なものがないかをきちんと調べるのが大前提です。
治らないモノではないですし、気持ちを落ち着けたり不安や緊張を和らげる薬がありますので、使用すればかなり改善されます。
難しいかもしれませんが、ストレスを感じないようにする生活を送れるようになるのが一番よいですね。